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タクシードライバーが知っていて欲しい怒りの本質 ~アンガーマネジメントを知ろう~

健康
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タクシーの運転手はとてもストレスを感じやすい場面が多いお仕事です。それは自分ではコントロールできない渋滞や危険な運転、そして迷惑な乗客の対応など毎日のように襲ってくるからです。だからと言ってストレスを溜めたままにしておくとそれこそ交通事故や乗客とのトラブルなどを引き起こしてしまいます。それらを防ぐための有効な手段のひとつがこれから書くアンガーマネジメントです。


アンガーマネジメントとは怒りの感情をコントロールするための心理トレーニングです。
よくアンガーマネジメントができるようになると怒らなくなるのですか?と聞かれますがそうではありません。怒りは人間が生まれてから自然に持っているので無くすことはできません。アンガーマネジメントは怒らなくすることではなく、怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになることを目標としています。



まず怒りの感情のピークは発生してから6秒と言われています。6秒たつと少しずつ怒りがおさまり冷静な判断ができるようになります。しかし多くの方はこの6秒が待てずに怒りを爆発させ大きなトラブルになってしまったり、人間関係を壊してしまうこともあります。例えば前の車が急ブレーキを踏んだり、強引に前に入ってきたり、また乗客から嫌なことを言われた時などカッとなりますよね。ここで6秒待つコツは怒りの原因から意識をそらすことです。例えば大きく深呼吸したり、飲み物を飲んだり、心の中でポジティブな言葉を唱えたりすることも有効です。6秒待って少し冷静になれるといろんな選択ができるチャンスが出てきますのでぜひやってみてほしいです。


そもそも怒る原因は何でしょうか?「相手」や「出来事」など外部にあるという方も多いと思われますが、実は「~べき」という自分の中にある価値観とのギャップで怒りが発生するのです。例えば「ブレーキは早めに踏むべき」と思っている運転手が自分の思ったより遅く踏んだ場合です。自分が思っているよりも早くブレーキを踏む人には怒らないでしょう。


このように怒りの原因が自分の中にあることがわかることは良いことです。他人や出来事のように自分の外にあればコントロールできませんが、自分の中にあればトレーニングによってコントロールできるからです。許せる範囲を広くしたり、ゆるくしたりすることでコントロールすることができます。ではどうやったらコントロールできるのか?それは相手の価値観に対して「関心をもつ」ということです。自分の価値観と違うから許せないとか逆に無理やり許すということではなく「そういう人もいるんだな」や「なるほど、そういう考え方もあるんだな」と思うようにトレーニングしていくと自然と身についていきます。


それでも怒ってしまうことはあります。

最初にお伝えしたようにアンガーマネジメントは怒らなくなることではありません。怒ること自体は問題ありません。では怒ったときにどういう行動をとればよいのか?人が怒っていることのほとんどは自分ではコントロールできないことです。例えばいつも混んでいない道がその日に限って大渋滞していた、横断歩道もない場所でいきなり歩行者が飛び出して来たなどです。そういう場合はどうしたらいいのか?それは自分では変えられないということを受け入れてしまうということです。自分ではどうしようもないことですから…。そしてその時に自分ができることをやるということです。先程の渋滞の場合だと人を待たせている場合は遅れる旨を連絡する。そしてあとは音楽やラジオを聞いて気を紛らすくらいです。それ以上のことをやろうとするとイライラしてしまいます。祈っても渋滞は解消されません。祈れば祈るほどイライラしてしまいます。
歩行者の場合はこちらができること、スピードを出さない、周りに常に気を付けておくなどを徹底することです。


まとめるとイラっとしたらまずは 6 秒待って少し落ち着いてから、怒ることかそうでないかを判断する。怒るべきことではないと思えばその件はそれで終わり、怒るべきことだと思えば自分で変えられないことは無理に変えようとせず、できることだけをやる。これができるようになればストレスを格段に減らすことができ、事故やトラブルにも冷静に対応できるようになると思います。

筆者:アンガーマネジメントファシリテーター 丸山啓太


今回はストレスの原因となる「怒り」に関して、アンガーマネジメントファシリテーターの丸山啓太先生に寄稿していただきました。

自分の感情と上手に付き合いながら、できる限りストレスを減らして安全運転で過ごしてほしいと願っています。

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